花火 |
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AとBとCと |
大学一年の夏。
当時まだ数回しか会ったことのないBを花火大会に誘った。
別に早くから場所取りをしたわけじゃないけど、二人だけだったので空いているスペースに滑り込んで、
開始時間直前に会場入りした割には、なかなかいいポジションで花火を望むことができた。
花火の打ち上げ最中は、会話なんてほとんどなかった。
二人して、ただただ光の連鎖に見入るだけ。
でも、その沈黙の空間が心地よかったことを覚えている。
花火が終わって、周りの人々があわただしく動き始めて、ようやく口をきいた。
彼女は、はしゃいでいた。すごいね、すごかったね、と繰り返した。
初めて花火をこんなに間近から見たという。
来年も一緒に花火を見ようね、と約束した。
大学にいた四年間。夏になるとあちこちの花火大会に一緒に行った。
二人きりだったのは、最初の一回きりだったけど。
夏になって、花火大会がどこかで毎週のようにあって。
彼女は今年、どの花火大会に誰と行ったのかな、と、ふと思う・・・。
投稿者 4wz7u9 | 返信 (0) | トラックバック (0)