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少女A

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便宜上その人の名をAとしておく。


高校で、冗談っぽくもてはやされていた私だったが、だんだんエスカレートしていった。

気がつくと、友人数人でやったお泊り会のときに、積極的にアプローチしてきたAと付き合うことになっていた。

何年もの月日がたった今では、どうしてそこまで燃え上がって、付き合うに至ったのかが思い出せない。

だがしかし、少なくとも、その瞬間だけは、本気だった。心の底からうれしかった。

恋に恋していただけで、浮かれて周りが見えなくなっていたとしても。

それは、私とAだけの秘密だった。二人だけの世界に、しばし酔った。感覚が麻痺していた、という意味でも。


でも、すぐに私はその熱から冷めてしまった。

周りの目を気にしながら、隠れて会わなければいけない背徳感。

重く、わずらわしいだけの束縛と相手の期待に応えられない不甲斐ない自分。

あまり猶予の残されていない受験勉強。


恋愛の真似事を続けることが苦痛になった私は、Aと別れようと思った。

でもヘタレである私には、自分から別れ話を持ちかけるなんてことができなかった。

大学受験を盾に、しばらく勉強に専念しよう、と言って距離を置いた。

受験後も、いろいろ理由をつくっては、二人っきりで会わないようにした。

高校卒業まで逃げ切れれば、別々の地の大学を選んだ私たちは、自然と消滅するものだと思ってた。

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